丸谷秀人のブログ

エロゲシナリオライター丸谷秀人の棲息地。お仕事募集中

情け深いワタシであることよ(うそつけ)。

 今年もクワイを植える季節がやってきた。

 沼や川なんて大自然はうちのベランダにはないので、発泡スチロールの箱に植える。箱の下半分に土を入れ、そこにクワイの種芋をいれたら、箱いっぱいに水を張ってやって準備完了。

 あとは太陽が仕事をしてくれる(水は足さないとなんないけどね)。

 

 クワイはいい。

 

 まず、手間がそれほどかからない。下半身は水に浸かっているので、根を噛んだりする芋虫の類の害虫がない。掘るとどこからでも出てくるコガネムシの幼虫どもも、クワイには手が出せない。敵といえば、せいぜい葉にたかるアブラムシくらいだ。カイガラムシや青虫が出現することもあるけれど、我慢出来る程度にはたまのことだ。アブラムシがシューティングゲームの雑魚キャラと中ボスを合わせたくらいの出現率で、カイガラムシや青虫はボスキャラ程度だ。

 枯れた葉や多すぎる葉を除去したり、水たまりに「いて当然でしょう」みたいな顔で発生するボウフラどもを退治してやったり、少しでもボウフラどもの発生を防ぐために、水の中に丸めた銅線を放り込んでおいたり、消石灰をまいたり、親蚊が近づかないように装置を設置し、もちろんアブラムシどもは見つけ次第つぶしてつぶしてつぶしてつぶす。夏ともなれば毎日毎日炎天下だろうがじとじと雨だろうが1日2回は見まわりして……。

 

 あれ? 結構手間がかかってね?

 

 いいんだよ愛だから! しかも最後には食べられるんだから!

 食べられるものは正義! 薄くスライスして、油であげてやるとうまいんだぞ!

 もちろん前回も全部おいしくいただきましたよ!

 家で出来たクワイを種芋にして次の年育てても貧弱なのしか出来ないから、全部食べちゃうしかないんだけどね。

 

 というわけで、そろそろ植えようかなぁとどうしようかなぁ、でフト思い出す。

 2月くらい、収穫した後の残った土を処分してた時、掘り出しそこねてたクワイが3個くらい出てきたのを、適当な入れ物に放り込んでおいたなぁと。

 プラスチックの入れ物には、物干しが半壊した時に出た木ぎれがちょこんと置いてある。当然入れ物の中は真っ暗、しかも水につけておけば保存出来るかも、なんていい加減なことを考えて、水を入れておいたような……。

 でも、真っ暗な場所に、放って置いた球根というか地下茎。

 普通、死亡フラグ。つまり腐ってドロドロだよなぁ。最近妙に暑いし。

 フタを開けたとたん、いやーなにおいがムクムクと湧いてくるのまちがいなし……。

 

 ……。 

 

 どうせ家で出来た奴は、植えても収穫はのぞめないし……。

 気付かなかったことにしてほうっておこうか。

 

 というわけにもいかんので、使い捨て手袋をはめ、捨てるためのビニール袋(当然透けてない奴!)を用意し、異臭を嗅ぎたくないので鼻にちり紙をつめて、蓋をとると。

 

 げぇぇぇ。 

 

 なんか白くて細くてひげみたいなもんで入れ物の中がいっぱいだよ!

 根かよ!

 しかも日にまったく当たってないのに、緑の葉まで生えてやがる!

(ひょろひょろで小さいけど)

 なんてたくましい奴らだ!

(ひょろひょろだけど) 

 うちで栽培したものとは思えん。

(買って来たのなら同じでもしっかりしてたのかも)

 これは、あれだ。

 過酷な条件のところへ放りだしておいた結果、鍛えられてたくましくなったのか!

(ひょろひょろだけどなぁ。たくましいというより、往生際が悪いのか)

 ふふ、これぞ深謀遠慮という奴だ。

 

 なんてわけねーよ。

 

 でも、生えてるもんを捨てるわけにもなぁ。

 

 急遽100円ショップで買ってきたプラ製のゴミ箱に土と水を入れて植えてやりました。人情味あふれるワタシである。

(こんなにひょろひょろじゃ、そのうち枯れるでしょ。ついでに大きな箱に冷蔵庫で保存しておいた種クワイを植えて肥料もがっつり入れて、と、こっちが本命)

 

 というわけで、一週間経った今でも、奴らは元気です。

 あたらしい葉とかまで出てきてな。ついに自分たちの時代がやってきたって感じですよ。葉っぱなんかキラキラしてるよ。すごいね自然は!

(本命のほうは、今だ芽すらでず……が、がんばれー)